キム・ヒョンス「韓国日本の若者のインターネット事情」

キム・ヒョンス(Kim hyeoun Su)
1966年2月18日生まれ。
学歴・経歴:中央大学医学大学卒業
韓国保健社会研究員 公衆保健医者 教育開発チーム
亜洲大学病院精神科修了及び精神科専門医取得
サランイ コッピヌン マウル(愛があふれる町)精神科医院共同院長
中毒・虐待・暴力問題研究所所長
江西精神保健センター長
サヌン キプム(生きているうれしさ)神経精神科医院院長
大韓公衆保健医師協議会企画局長
ソウル地域社会精神健康自願奉仕団企画幹事.
京畿道地域社会精神健康自願奉仕団企画幹事
水原保護観察所特別犯罪予防委員及び水原、ソウル大人薬物事犯受講命令プログラム運営
社団法人韓国青少年財団企画室長
延世大学医科大学外来講師
フリースクール「星」主宰

韓国はいちはやく高速通信網を普及させインターネット事情は日本よりも一歩先んじている。このような韓国では特に40代以上の親が困っている。というのはパソコンやインターネットという技術について行けないからだという。


時には親が子供からパソコンやインターネットを教えてもらわないといけない場合もある。新しい技術が出てくると親と子の地位が逆転する可能性がある。*1


韓国ではインターネットの弊害がいろいろと議論されている。ネット上でも本名を使うべきではないのか?という議論もある。またネットゲームではネットの中お金やアイテムを現実世界のお金と交換すること(RMT:リアルマネートレーディング)ことも問題になっている(参考リンク)。またネット使用時間の長くことになることに対して危機感があるそうだ。


韓国では親が子供がネット上で使っているIDを把握する必要だという議論があるらしい。IDを使って子供の動きを追いかけるのだそうだ。子どもたちはネット上の友達も現実世界での友達も同じように扱うので、親はネット上の友達の把握もせねばならないとのこと。


キム・ヒョンス氏はネットをやる際の注意事項を「SMART」というようにまとめていた。

S secret :住民登録IDをネット上では書かない など
M meet  :ネットでしか知らない人に会わないこと
A accept :ネット上で受け取らない(ウィルスなどのことだと思われる)
R remember:詐欺に遭う可能性を覚えておく
T talk  :親や先生に相談する


学校の先生が「ネットで『聖人』について調べよ」という宿題を出したが、韓国では「聖人」と「成人」が同じだそうで、子供は検索エンジンから「成人サイト」へ行ってしまった。宿題は「聖人を10人調べてきなさい」というものだったそうだが、アダルトサイトに載ってる人を10人調べて宿題を提出した子供がいたそうだ。


キム・ヒョンス氏はインターネットはひきこもりを悪化させるというスタンスをとっている。ネットですべてのことが充足されるので家から出なくてよくなるからだそうだ。*2


韓国で言われているネット依存になりやすい環境とは以下の6点

  1. 父母が40代以上
  2. 父母がパソコンに疎い
  3. 夫婦関係が良くない
  4. 共働きである
  5. 親戚が近くにいない
  6. 転向したばかり


キム・ヒョンス氏は事例を紹介していた。
共働きで夫がなかなか帰ってこないという事例が多いようだ。また逆に共働きで夫婦仲が悪く妻が家を避けてなかなか帰ってこないという事例もあるとのこと。


子供がネットゲームへ依存する時に、妻は子供にも理由があると考え夫に理解を求めるが、夫は仕事が忙しい。夫は自分が忙しく働いているのに遊びほうけてるとは何事か!と力づくでネット環境を取り上げようとすることがある。妻に対しては「おまえの子育ての仕方が悪い」と夫は責めるようだ。


このあたりは日本とよく似ているなという感想を持った。

*1:日本より儒教的な韓国ではこのことが問題であるようだ。日本のパネリストは親がパソコンに不案内なのはコミュニケーションをとるチャンスであると捉えるのに対して、韓国では親子の地位逆転が起こる危機というとらえ方がなされているようだ

*2:日本側の参加者がネットはひきこもりにとって良い結果をもたらすというスタンスをとっていたのとは対照的