宮台真司氏からキム・ヒョンス氏への質問

宮台氏からキム氏へ韓国の家族的規範はどういうものか?という質問がなされた。


韓国では90年代後半から離婚率が急激に上昇し、出産率も激減。家族の危機が叫ばれてるようだ。現在の韓国の家族は「親密さ」のみで動いているようなもの。この親密さが欠けるともはや家族ではないという見方がなされているようだ。


キリスト教の盛んな韓国では宗教を通して家族の崩壊を止めようとする動きが出ている。離婚防止や出産を促すというものだが、キャンプや家庭内の宗教活動を通じて家族の親密性を維持しようとものであるらしい。


韓国では政府の部署名も女性部から女性家族部へ変更されたようだが、これに象徴されているように政府の対応も行われているとのこと。


韓国では受験熱が高まり、子供をアメリカの大学に留学させるということが行われている。子供の留学に母親がついて行くこともあり、その場合は父親が韓国に残って単身赴任の状態になる。*1


また宮台氏が韓国テレクラについて疑問に思っていたことにもキム氏から答えが返された。韓国にも96年にテレクラが登場し、宮台氏も97年にフィールドワークに出かけた。日本ではテレクラに来る主婦は夫の悪口を言うのに対して、韓国のテレクラに来る主婦は自分の家族はちゃんとしたものだと主張するという。この違いは何か?


これに対するキム氏の回答は衝撃的なものであった。韓国では教育熱が高いことが知られているが、子供に満足な教育を受けさすにはやはり多額のお金がかかるようだ。金が足りない場合は母親がテレクラやカラオケへ接待に行って、そこでお金を稼いでくる。


宮台氏が韓国に行った時にテレクラに来ていた女性が家族はちゃんとしていると言っていたのはきっとこういう事なのだろう。日本では自分の快楽のためにテレクラに来る女性がいるが韓国ではそういうことはまず無いとキム氏は言っていた。

*1:確か、鳥の「雁」になぞらえて「雁パパ」という呼び方がなされているはず