参加者からの質問(1) 単身生活がダメな理由は何か? 斎藤氏へ


斎藤氏の講演の中に「ひきこもりの当事者を単身で生活させてはならない」というものがあったが、それはなぜか?という質問。


親の動機としては、ひきこもりにこれ以上関わりたくないというものや強制的に出せばひきこもりをやめて外に出て行くのではないか、というものがある。しかし、単身生活とはいえ、依然としてお金は親から送金される。単に出先でひきこもるという事にしかならない。


また、家からわざわざご飯を運んでいくという例や、親は来なくて良いから金だけよこせ、という例などがあるらしい。親が無理矢理押しかけていくと、暴力をふるい、電話をかけると電話を壊すということもあったらしい。


このような状態になるともはや訪問支援はてきなくなる。訪問支援ができるのは家族が家に入れてくれるから。単身者の家に入ることは不可能*1。単身生活をさせて失敗した例は10や20ではない。単身生活は原則的にタブーであると斎藤氏は言っていた。


斎藤氏の知っている限りうまくいった例は1例。本人が東京にあるフリースペースに通いたいから単身生活をさせてくれといった例のようだ。本人に明確な目標があり、親のことを拒否せず、完全ひきこもり状態ではなく一応は外出できる状態で、実際にやることがあるという場合。このような場合には単身生活が成功する場合があるとのことだ。


ここでも斎藤氏は「契約」ということを強調していた。経済支援を行う代わりとして単身生活を許すというような「契約」関係を結ぶべきであると斎藤氏述べていた。

*1:長田百合子でも「単身生活者はちょっとねー」というらしい