少女たちの不安

少女たちはなぜHを急ぐのか (生活人新書)

「若さへの信仰」が少女達には共有されているということがこの本では強調されている。

取材の中で、みんなに自分の年齢はいつかと尋ねた。すると、具体的な夢を持っている子は、一生とか、まだまだという。そしてそれがない子ほど、若さにこだわる。今しかないという妙な切迫感が彼女たちを包む

−−高崎真規子,2004『少女たちはなぜHを急ぐのか』日本放送出版協会: 206

自己承認をするときに「若さ」というものは使える言葉だ。この本の著者は女子高生が「性」の商品になるということを本人達が意識して学んだと考えているが、そうではないように思う。反抗期という言葉を使うべきかは分からないが、親や上の世代に反抗しているために「年齢」がネガティブなものとして認識されている。だからその対立概念である「若さ」が価値になるのだ。


夢を持たず「若さ」にこだわってい人間に対して「夢を持て」という処方箋を書くのは現実的ではない。というのは、この閉塞感は彼女たちだけに共有されているものではないからだ。