3つの両親殺し

去年の末に3件のひきこもりによる両親殺しがあった。以下はこの3件の概略。

  • 東大阪(36歳。2004年10月19日)の事件は将来を悲観しての犯行。両親が老いて年金暮らしとなり、周りに借金をしなくては生活が維持できず、そのことに絶望しての殺害事件だ。殺人というよりも「心中」に近い。「自分にかい性がなく、家族三人の将来が不安だった」と供述がなされている。
  • 土浦での事件(28歳。父・母・姉を殺害。2004年11月24日)の事件では「殺さなければ(父親)に殺される」と本人が思いこんでいたということから事件を起こっている。事件の切っ掛けは姉を殴ったこと。「姉が病院に行くと自分が警察につかまる。それは父親の思うツボだ。その前にみんな殺してしまおうと思った」と供述している。この事件の背景には父親への憎しみがあり、「母親は殺したくなかった」とも供述がなされている。
  • 水戸の事件(19歳。2004年11月23日)はこの中で一番有名。未成年のひきこもりが鉄アレイで両親を殺害した事件だ。ニュースではあまり報道されていなかったが、この事件でのターゲットは両親ではなく「祖父」だったようだ。本人は「祖父を殺すのに邪魔をする両親を最初に殺した」と供述している。ちなみに妹も不登校(ひきこもり)であるようだ。


土浦と水戸の事件はひきこもりを責められて「過剰防衛」をしたと言えるが、東大阪の事件は「心中」と捉えられる。まずは、この東大阪の事件について書いてみたいと思う。