「ひきこもり」の悪循環過程再考 ――当事者へのインタビューから――石川良子 (東京都立大学)

「ひきこもり」の就労に関する問題点をインタビュー(2001年、2003年、2004年の複数回)を元にした発表。対象は「ひきこもり」を脱出した元・ひきこもり。時系列で本人の課題が語られているので興味深い。


斎藤環が対人関係の修復をひきこもり脱出のゴールとし、塩倉裕は就労の問題も含めて解決と考える。上山和樹は「『親密な仲間ができた』状態から、『独立した経済生活』へのハードルが実は一番高い」(上山和樹,2000『「ひきこもり」だった僕から』講談社 : 156)と言う。この発表でインタビューに答える対象者も上山の指摘を「俺は多分あの本で一番そうだなと思っているところ」と述べている。