「意味から強度へ」その2

前回のエントリの続き 宮台は『これが答えだ!』で次のように述べている。 結論から言えば、意味がなくても−−成功物語や貢献物語の主人公にならなくても−−、強度−−世界を濃密に体感すること−−さえあれば人間は生きていけます。というよりも、人間はそのよう…

Kさんへ

コメントありがとうございます。 まだ、引っかかっている点が残っているのでコメントさせていただきます。 そして、著者が当事者経験があることは、書評においても記入しており、その上で「門外漢」と書いています。http://d.hatena.ne.jp/about-h/comment?d…

滝本竜彦

滝本竜彦がBSアニメ夜話の「新世紀エヴァンゲリオン」の回に出演していた。 マジメすぎるところがエンターテーメントになるキャラは独特。各所で彼のキャラがレポートされている。 うつうつはれはれ http://d.hatena.ne.jp/c-pete/20050329

「選択の物語」は誰の物語なのか?

結局「選択の物語」が誰のための物語なのか?ということに尽きる。 「子どもの選択」という論理は、不登校を「子どもの意志」に帰し〈親〉を免責する点で、母性や父性の欠如を問われ「子育ての落伍者」とされてきた〈親〉の自己肯定感を回復させているのであ…

貴戸と評者の齟齬

基本的に評者が言いたいことはトレースできる。「研究は不登校を救うためにあるはずなのに、貴戸の研究は不登校救済を目的にしていないじゃないか」ということだ。 おそらくここには2つ予断がある。 一つは貴戸の研究は不登校経験者を対象としていて、就学…

評者に対する評

評者は「シンポジウム」と「ボランティア」を対比し、貴戸をシンポジウムと位置づけている。 ボランティアならば、あらゆる子どもとリアルタイムで接するのでそういう事はありません。http://d.hatena.ne.jp/palaga/20050224#p1 (amazonの評者の発言) この…

論点整理

貴戸理恵『不登校は終わらない』アマゾン書評 学者見習いによる子どものためではない「研究のための研究」 結論から言えば、地に足のついていない駄文だ。……不登校を研究材料としか見ていない学者見習いの著者のような門外漢…… 著者の問題意識は「百人の聴衆…

アマゾンの書評について

『不登校は終わらない―「選択」の物語から“当事者”の語りへ』 作者: 貴戸理恵 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2004/11 メディア: 単行本

「意味から強度へ」その1

今回は宮台真司の「意味から強度へ」の言説について。id:SUIESEIさんのエントリを読みながら、やはりこのことについて書いておかなければと思いエントリ。 現在の宮台真司は「アジア主義」を標榜しているが、90年代後半の宮台真司は「意味から強度へ」とい…

挨拶

コミュニケーション能力については、『挨拶』が出来さえすればればいい。http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20050320#p1 「挨拶」というものは他者と異なる存在であるということを認めることであると聞いたことがある*1。 他者と同じ存在であれば何もしなくて…

論点整理

ひきこもり経験者とチャットで話してて、大学でひきこもりになった場合は「やっぱり大学はやめない方がいいよ」ってことで意見が一致した。確かに、大学というところはひきこもり状態に陥りやすい環境を作ってると思うけども、逆に、復帰が一番しやすい環境…

退学・休学・復学

論点整理この話はもともとはid:SUISEIさんのはてなダイアリーでの書き込みからスタートしたものでした。「やっぱり大学はやめない方がいいよ」と意見が一致したのはチャット相手はid:hikigaeruさんです。彼とはid:hikilinkさんがエントリされた後にもチャッ…

最近思ったこととか

id:SUISEIさんのはてなダイアリーつながり。 ひきこもり経験者とチャットで話してて、大学でひきこもりになった場合は「やっぱり大学はやめない方がいいよ」ってことで意見が一致した。 確かに、大学というところはひきこもり状態に陥りやすい環境を作ってる…

私信 SUISEIさんへ

id:SUISEIさんからさっそく返事をいただいた。 (こっちは半月も書かなかったのに申し訳ない(>_ 自分はこう考えている。唯一性を「スペック」(頭の良さ、ルックス、ひきこもりの純粋さなど)に求めるとキツくなる。そうではなくて、存在していることそれ自体や…

社会学は格闘技だ

斉藤悦則『社会学者の憤り方――ブルデューに学ぶ』http://www.minc.ne.jp/~saito-/travaux/durkheim_socialism.html 『日仏社会学叢書』に掲載の論文。非常に面白い。 また、ブルデューが社会闘争にくみするのは、けっして彼自身の理論に導かれての必然性によ…

SUISEIさんへ

唯一性はやはり求めざるを得ないと思います。ただ、その方法がとても難しい。宮台真司も言っているように、宗教に唯一性を求めたとしても新興宗教だとかでは底がすぐ見えてしまい「ここ違う、あそこも違う」というように「渡り鳥状態」になるんだとおもいま…

唯一性の前提となるもの

「思考」を行うにはさらに「知識」と「時間」が前提となる。 何かを考えるには「知識」が必要である*1 また、思考には知識だけではなく、時間も必要とする。 例えば、大学生が抱える「不安感」は「思考をする時間」によって生み出されると捉えることが出来る…

唯一性を求めること

唯一性を獲得する、もしくは唯一性へ近づくという傾向は近代や現代に特にみられることではないと考えられる。例えば「宗教」ということを考えてみると、強弱はあっても唯一性への接近はどの宗教にも認められる。 キリスト教のカトリックとプロテスタントを比…

唯一性を求めること

お聞きしたいのですが、about-hさんは「唯一性」を求めるべき(または求めざるを得ない)というお考えだと思うのですが、だとしたら、どのような「唯一性」を求めるべきだとお考えでしょうか?あと、「唯一性」を求めないという選択肢はないのでしょうか?http:/…

貴戸理恵さんと会って話してきました

貴戸理恵さんと会って話してきました。6時間くらいしゃべっていたような気がします。『不登校は終わらない―「選択」の物語から“当事者”の語りへ』の「著者近影」が各所で話題になっています(^_^;)が、この写真から受けるイメージとは違った感じの人でした。…

漱石とひきこもり

『「ひきこもり」と漱石の視点』と題された論文を見てみたい。著者は精神科医・立花光雄(大阪府立精神医療センター院長)。 この論文では使われる「ひきこもり」という言葉はどうも違和感がある。 漱石の小説には「ひきこもり」の問題も繰りかえし出てくる。…

私信

id:cafe_noirさんへ コメントつけなくてすみません。別に辛かった訳ではなく、ちょっと別件で忙しくてはてなダイアリーの方に来れなかったもので。。。申し訳ない。 「性」と「ひきこもり」は興味深いですよね。「性」は「男性性」と密接なつながりがあるの…

淡路プラッツ講演会

NPO法人淡路プラッツの2005年講演会――ひきこもり・ニート・不登校を、3つの分科会で第1分科会の方におじゃまさせていただきました。 ●第1分科会 動けない青年たち ★キーワード――「純粋」ひきこもり、親(へ)の対応、医療、「発達」、訪問、アウトリーチ…

東京都立大学の石川良子さん(ひきこもり研究者)が日記からブログに移行されたようだ。

個人的なことは政治的なことである

「頑張れ」という励まし言葉がありますが、この表現が嫌いです。 http://www.hatena.ne.jp/1087446272 via http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20050222 小学校だったかの教科書に似たようなことが書いてあったような記憶が頭の隅にある*1。そんな大昔のことが…

平坦ではない戦場で僕らが生き延びること

「平坦な戦場で僕らが生き延びること」とは探しても見つからない「唯一性」を見つけることだった。そして「当事者による不幸競争」も「唯一性」を見つけることだ。両者とも「唯一性」を見つけることは共通している。しかし両者には明確な違いがある。それは…

唯一性をめざして

id:ueyamakzk:20050104でid:ueyamakzkさんは「属性と課題の峻別」を唱えている。この峻別の動機となっていることの一つに「当事者による不幸競争」からの決別ということがあったのだと思う。 ひきこもり当事者は、「あまりにも弱い自分は、強い連中に搾取さ…

唯一性の消失

私は唯一の存在である。 これは疑いなきことであるはずだった。しかし、唯一の存在であるはずの自分と他人と比べ見ると、自分という存在が抜きんでたものではないことに気づいてしまう。 そして他人との関係も交換可能だ。相手にとって目の前にいるのは自分…

平坦な戦場で僕らが生き延びること

この街は悪疫のときにあって僕らの短い永遠を知っていた 僕らの短い永遠 僕らの愛 僕らの愛は知っていた 街場レヴェルの のっぺりした壁を 僕らの愛は知っていた 沈黙の周波数を 僕らの愛は知っていた 平坦な戦場を 僕らは現場担当者になった 格子を 解読し…

正しい引きこもり方の提唱

芹沢俊介はこの本の中で「正しい引きこもり方」を提唱している。 正しくひきこもれば必ず回復する。でも、もし、正しくひきこもることができなければ長期化や暴力や犯罪が起こると芹沢は言う。 彼にとって「正しいひきこもり」とは何なんだろうか? こんなふ…